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休業損害における基礎収入の考え方
はじめに
今回は若干細かい話ですが、当事務所がこだわっていることについてお話したいと思います。
それは、休業損害における実稼働日数割です。
もっとも、これだけでは何の話かさっぱりだと思いますので説明します。
給与所得者の休業損害の算定方法
給与所得者の場合、交通事故で休業した際には勤務先に休業損害証明書を作成してもらい、これに基づき休業損害を算定するのが一般的です。
この休業損害証明書には、事故前3ヵ月間の総支給額と実勤務日数、休業日数が記載されています。
また、休業損害は基礎収入日額×休業日数で算定します。
基礎収入日額の算出方法
ここで問題になってくるのが基礎収入日額の算出方法です。
保険会社が基礎収入日額を提示するとき、必ずと言っていいほど総支給額を90日間(3か月)で割った額としてきます。
月収25万円の人だと日額8333円(25万円×3か月÷90日)となります。
この算定方法は、休日を含んだ日数で総支給を割っているので、入院などで1か月以上連続して休業している場合などには妥当かもしれません。
ただ、たとえば休業日が飛び飛びになっている場合(週に2回治療のため休業しているときなど)には問題があるのです。
このような場合の休業損害は、勤務日にも関わらず休業した日にのみ生じています。
このため、総支給を勤務日以外の休日も含んだ90で割ると休業損害の額が低くなってしまうのです。
ですから、3か月間の総支給を3か月間の実勤務日数で割ったものを基礎収入とすべきです。
先の例の人の3か月の実勤務日数が60日間とすると、日額は1万2500円(25万円×3か月÷60日)となり、日額で4000円ほどの差が生じます。
おわりに
90日で割るのか、実勤務日数で割るのか、いずれが適切かについて判断した最高裁の判例は見当たりません。
下級審の裁判例もかなりバラバラです。
ですが、理屈の上で正しいのは実勤務日数割だと当事務所は考えますので、これからも実勤務日数ベースで休業損害を請求し、保険会社と争っていきます。
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