死亡事故において、弁護士による粘り強い交渉で約3500万円で示談解決した事例

• 2025/02/07

主な損害項目	金額
家事労働逸失利益	約1560万円
年金逸失利益	約490万円
死亡慰謝料	約2500万円
遺族固有の慰謝料	相続人各200万円
葬儀費	約100万円
最終支払額	3500万円

相談・依頼のきっかけ

当時70代の糟屋郡在住の女性が、自転車で道路を横断していたときに右方向から道路を直進してきた車両と衝突するという交通事故にあってしまいました。

被害者は、急性硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、後頭骨骨折等の怪我を負いました。

被害者は頭を強く打っており、事故後から意識がなく、同日に亡くなられました。

事故によるご遺族のショックはかなり大きく、その上相手方に反省の態度が見られないこと等からかなりの憤りを感じていらっしゃいました。

今後の相手方との交渉や、解決までの進め方などについて任せたいと弊所にご相談いただきました。

当事務所の活動

弊所にご相談いただいたのは被害者がお亡くなりになられて3ヶ月が経過しようとしていた頃でした。

ご依頼いただいた後は、まずご遺族と一緒に、相手方の刑事裁判に参加をしました。

ご遺族にご協力いただき、裁判の中では今回の事故が相手方の不注意により生じたものであること、被害者を死亡させるという最悪の結果を生じさせたこと、そして被害者の悲しみ等について主張し、厳重な処罰をすべきであると主張をしました。

刑事裁判への参加と並行して、ご遺族にもご協力いただき、損害額の計算に必要な資料を収集の上、相手方保険会社へ請求する損害額を計算しました。

当事務所が関与した結果

示談交渉において、主な争点は、家事労働逸失利益・年金逸失利益・慰謝料でした。

被害者は、同居する家族のために家事すべてを担っていた他、年金を受給していました。

家事労働に関する逸失利益については、同居されていたご家族から被害者の具体的な家事内容や1日のスケジュールについて聴取し、平均余命の約半分の期間は家事労働ができたはずであると主張・交渉をしました。

年金逸失利益については、生活費控除率（受給額のうち生活費相当分として控除される割合）が争点となりました。

相手方は、生活費控除率は40％であると主張していましたが、40％は大きすぎるとして交渉し、当方の主張通り、30％での回答を得ました。

また、慰謝料についても、交渉の結果、当方の主張額満額での回答となり、裁判をした場合に見込まれる賠償総額よりも高い金額での回答を得ることができました。

裁判をした場合のリスク等についてもご説明し、ご遺族とお打合せの上、訴訟提起はせず、示談することとなりました。

弁護士の所感（解決のポイント）

相手方との交渉は長期間にわたり、主張が二転三転するなどして難航しましたが、当方の主張内容がより正当であることを粘り強く、繰り返し主張し続けた結果、ご遺族も納得される内容で示談に至りました。

相手方の主張を安易に受け入れることなく、強気の姿勢を示し続けたことが良い解決に導けたポイントだと考えます。

最後まで粘り強く交渉ができたのは、亡くなられた被害者やご遺族に支えていただけたからだと思いますので、今後も、依頼人のお気持ちに寄り添い、しっかりとした交渉をしていくよう心がけたいと思います。

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