死亡事故の裁判で約3450万円で和解となった事例

• 2024/08/16

主な損害項目	金額
家事労働逸失利益	約110万円
年金逸失利益	約267万円
死亡慰謝料	約2500万円※
葬儀費	約175万円
その他遅延損害金等	約390万円
最終支払額	約3450万円

相談・依頼のきっかけ

当時80代の福岡市在住の女性が、乗車していた車が起こした自損事故に巻き込まれて、死亡されました。

車の運転手本人とその勤務先から謝罪がない等、対応に誠意が感じられなかったことからご遺族は相当の憤りを感じていらっしゃいました。

法律事務所を探していた時に、弊所のことを勧められ、適正な賠償を獲得するために相手方との交渉を任せたいと弊所にご依頼いただきました。

当事務所の活動

ご遺族は、突然ご家族を失われた悲しみに暮れる中、事故から3か月程が経過するまで相手方から直接謝罪がなかったことに強い憤りを感じていらっしゃいました。

ご遺族としては、なぜこのような事故が起きたのか、なぜ事故後すぐに直接の謝罪がなかったのか等を知りたいとのご意向だったため、ご遺族と一緒に、相手方の刑事裁判に参加しました。

また、刑事裁判への参加と並行して、ご遺族に損害額の計算に必要な資料の提供にご協力いただき、相手方保険会社へ請求する損害額を計算し、相手方との示談交渉を行いました。

示談交渉において示された相手方の見解がこちらの主張する金額から程遠く、示談交渉段階での解決は困難であったため、ご遺族とお打合せの上で、訴訟提起をしました。

当事務所が関与した結果

主な争点は、家事労働逸失利益・年金逸失利益・慰謝料でした。

被害者は、同居する家族のために家事の補助をしていた他、年金を受給していました。

家事労働に関する逸失利益について、相手方は当初、逸失利益は認められないとの主張でしたが、同居していたご家族から被害者の具体的な家事内容等について聴取し、家事従事者としての逸失利益が認められるべきであると主張しました。

交渉の結果、平均余命の約半分の期間は家事労働ができたものとして、逸失利益が認められました。

年金逸失利益について、訴訟外において相手方は生活費控除率（受給額のうち生活費相当分として控除される割合）が80％であると主張していましたが、訴訟における交渉の結果、50％での和解案を得ました。

また、慰謝料について、示談交渉時点では当方の主張額の60％程度しか認めないとの見解でしたが、事故の重大性や事故後に誠実な対応がされなかったこと等を主張して、当方の主張額の80％を超える慰謝料が妥当であると和解案において認定されました。

各損害項目について適正な金額で和解案が示されたことから、ご遺族と相談の上、判決には進まず、和解で解決することとなりました。

弁護士の所感（解決のポイント）

本件では、被害者が80代で高齢でしたが、死亡慰謝料が2500万円認められた点がポイントでした。

被害者が高齢者の場合、そうでない場合と比べて慰謝料が低額になる傾向がありますが、2500万円という金額は通常どおりの金額なので、訴訟をして良かったと思います。

また、訴訟に移行したことにより、弁護士費用や遅延損害金も計上されましたので、訴訟外で提示されていた金額より大幅に増額する結果で終えることができました。

お客様の声

関連ページ

• 【弁護士が解説】交通事故における慰謝料の注意点
• 死亡事故のご遺族に被害者側専門の弁護士としてできること
• 交通事故で死亡した場合の損害賠償へ
• 死亡慰謝料とは？
• 親族の慰謝料はどこまで認められる？
• 交通事故を弁護士に初めて相談される方へ
• 交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリット
• より良い解決のために被害者の皆様ができること

おすすめコンテンツ