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死亡事故の過失割合につき、目撃者の証言を指摘することで裁判所に適正な判断をしてもらい、3000万円が補償された事例
被害者 | 女性(50代) / 福岡県在住 / パート |
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傷病名 | 死亡 |
活動のポイント | 自賠責へ被害者請求、相手方との示談交渉、裁判 |
サポート結果 | 適正な過失割合、賠償額での和解 |
主な損害項目 | 金額 |
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傷害慰謝料 | 1万7000円 |
逸失利益 | 4323万円 |
死亡慰謝料 | 2400万円 |
遺族固有の慰謝料 | 85万円 |
葬儀費 | 150万円 |
調整金 | 186万円 |
過失割合 | 20% |
最終支払額 | 3000万円 |
相談・依頼のきっかけ
50代の福岡県在住の女性が、自転車を運転して信号機のある交差点の横断歩道を渡るために交差点を左折したところ、女性から見て右側の道路を走行していた相手方車両が同交差点を左折し、女性の自転車右側面に相手車両の前方が衝突するという事故に遭いました。
この事故で女性は重症胸部外傷の傷害を負い、病院に救急搬送されましたが、事故当日にお亡くなりになりました。
事故から約1週間後にご遺族の方がご来所されてご相談いただきました。
当事務所の活動
弊所にご相談いただいた時期は事故から日も浅く、お忙しい状況でしたので、事前に必要な書類等をお伝えし、四十九日を終えて落ち着いた頃にご依頼をいただきました。
ご依頼後は、速やかに相手方保険会社へ弊所が受任した旨を通知し、ご遺族の代理人として弊所が窓口となり、保険会社からご遺族へ直接連絡が入らないようにしました。
そして、必要資料等を取り寄せて賠償請求の準備を進めました。
被害者はパートでのお仕事をされていたので、ご遺族にも協力をいただき、事故前の収入や年金関係の書類も取り寄せました。
なお、葬儀関係の費用をご遺族が立替えられている状況でしたので、領収書等の書類が多くございました。
請求に際して書類の整理や請求額の確認等も同時並行で行いました。
当事務所が関与した結果
相手方との示談交渉
相手方との示談交渉では、過失割合、逸失利益、死亡慰謝料、葬儀費が主な争点となりました。
過失割合は、相手方は被害者が青色点滅信号で歩行者用横断歩道を横断しようとしていたこと、右側走行していたことを理由に被害者側50・相手側50の主張でした。
逸失利益(家事従事分)については、こちらが事故前年の女性平均賃金で算定したのに対し、家族構成等から事故前年の源泉徴収票の金額を基礎収入として算定した金額という主張でした。
なお、年金に対しての逸失利益については、受給権者自身の生計維持を目的とした給付であることから認定不可、自賠責保険の基準額以上での解決不可というものでした。
裁判外での解決は難しい状況でしたが、裁判を行うことでこちらに有利な内容となる可能性もございました。
自賠責保険への請求
しかし、裁判は解決まで1年以上かかることも予想されましたので、まずは自賠責保険に対して被害者請求手続きを行い、先に自賠責保険金を受領した後に差額を相手方へ請求するという方針で進めることになりました。
被害者請求では、必要書類が複数あるため、ご遺族の方にも資料収集の協力をいただき請求を行いました。
訴訟提起
自賠責保険金の受領後、裁判所へ訴訟提起を行い各争点について双方検討・主張を行いました。
裁判でも過失割合が争点となりましたが、相手車両が容易に確認できたはずの被害者を注視すること無く交差点を左折したこと、被害者は歩行者用信号を青信号で横断開始していること等から、相手方の主張する過失割合が適切でないことを指摘しました。
また、相手方は、被害者が斜め横断をしていたとも主張していましたが、こちらも刑事記録等の証拠資料から斜め横断の事実はないことを強く主張しました。
年金に対しての逸失利益に関しても、被害者の家族構成や年金受給資格に関する状況を証拠資料の提出とともに詳細に主張を行いました。
双方の主張が出尽くし、裁判所から和解提案があり、過失割合に関しては当方主張に近い当方2・相手8というものでした。
家事従事に対する逸失利益については、相手方は当方主張の半分以下での回答であったのに対し、当方主張どおりでの認定がなされました。年金に対する逸失利益についても当方の想定どおりの金額での認定となりました。
当方の主張が概ね認められた和解案であったため、ご遺族とも検討し、裁判所の提案する金額で和解する運びとなりました。
弁護士の所感(解決のポイント)
相手方と主張が大きく乖離していたのは過失割合でした。
当方は歩行者用信号青信号で交差点を横断したと主張していましたが、相手方は被害者が交差点を横断したときには歩行者用信号は点滅していたとの主張でした。
刑事記録上は、青色点滅であるという相手方の主張が記載されていましたが、目撃者の証言などを指摘し、裁判所には青色点滅とは認定できないという判断をしてもらうことができました。
ドライブレコーダー搭載の車両も増えてきましたが、まだまだ事故態様について当事者の証言に頼らざるをえない事故は多いです。
死亡事故では、被害者の方の証言がかなわないことから、当事者(相手方)の証言に頼らない客観的な証拠等による主張が重要であると感じた一件でした。
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