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交通事故と遺族年金の支給停止について
- Q
- 交通事故で家族が亡くなった後、加害者から損害賠償を受け取ったら、日本年金機構から遺族年金支給停止の通知が来ました。どういうことなのでしょうか?
- A
- 交通事故の加害者から事故に関する賠償金を受け取った場合、遺族年金の支給は事故発生の翌月から最長3年間(平成27年9月30日以前の場合は最長2年間)停止されます。
-
これは、加害者から賠償を受けた金額のうち、逸失利益などの遺族の生活保障に関する部分は、遺族年金が支給される理由、すなわち遺族の生活を保護するという点と重複するためです。
同じ理由(遺族の生活保障)で賠償金と年金を二重に受け取ることはできないという考え(損益相殺)の下、遺族年金の支給停止が国民年金法第22条2項や、厚生年金保険法40条2項に法定されています。
具体例
単純化した具体例を用いて説明すると、以下のようになります。
死亡の逸失利益として4500万円が加害者やその保険会社から支払われた場合で、本来受給できた遺族年金が月15万円と仮定します。
このような場合、遺族の方は4500万円÷15万円=遺族年金300か月分の生活保障を得たことになります。
このため、損益相殺の観点からすれば300か月もの間、遺族年金の支給が停止されそうですが、平成27年10月1日から、厚生労働省は支給停止期間を36か月に限る運用を行っています。
これは「自賠責保険による平均的な保険給付額のうち、遺族の生活保障のために給付される部分によって遺族が平均的な生活を行うことができる月数が36か月に相当する」ためだと説明されていますが、実質は遺族保護のため支給停止期間をなるべく限定するところに主眼があるようです。
裁判基準で算定した逸失利益部分は多額になりやすく、遺族年金の支給停止期間が36か月を下回るのは割合例外的な場面だと言っていいでしょう。
遺族の方の今後の生活を十分に補償するためにも、裁判基準での損害賠償を獲得することが重要になってきます。
年金機構から送られてくる案内文書
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