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仕事や日常生活への支障を具体的に説明し、逸失利益を0円から150万円に増額した事例
相談者 | 男性(50代) / 福岡市在住 / 会社員 |
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傷病名 | 外傷性クモ膜下出血、右外傷性血気胸、右多発肋骨骨折、外傷性肝損傷、右肩甲骨骨折、四肢擦過傷 |
活動のポイント | 後遺障害等級認定サポート・示談交渉 |
後遺障害等級 | 12級13号 |
サポート結果 | 後遺障害認定、適切な賠償額の獲得 |
傷害慰謝料 | 約153万円 |
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後遺障害慰謝料 | 約276万円 |
逸失利益 | 約629万円 |
休業損害 | 約257万円 |
入院雑費 | 約2万円 |
過失割合 | 50% |
総賠償額 | 約381万円 |
相談・依頼のきっかけ
福岡市在住の50代の男性が、自転車にて道路左脇を走行し、右側に進路変更をしたところ、後方から直進走行してきた車両に衝突されるという事故に遭いました。
この事故で、男性は全身を強く打ち、近くの病院に緊急搬送されました。
男性は、外傷性クモ膜下出血、右外傷性血気胸、右多発肋骨骨折、外傷性肝損傷、右肩甲骨骨折、四肢擦過傷と診断され、そのまま入院となりました。
事故から約2週間後に退院となり、その後は通院による治療を受けました。
事故によるお怪我の影響でお仕事を休業せざるを得ないこと、また、相手方保険会社との間で過失割合の折り合いがつかないこと等に不安を感じられ、男性は退院後すぐに弊所にご相談・ご依頼下さいました。
当事務所の活動
①物損
弊所では、まずは相手方保険会社に過失割合の見解について確認しました。
相手方保険会社としては、被害者の男性側に85%もの過失があるという見解でしたので、弊所にて警察署より記録を取り寄せ、過失割合について検討することから始めました。
並行して、男性の物的損害の資料を収集し、相手方保険会社と交渉を始めました。
相手方保険会社が、交渉中に代理人弁護士をつけたため、その後は弁護士との交渉に移行しました。
②人損
ご依頼をいただいたのが退院直後ということもあり、被害者の男性には治療に専念いただきました。
退院後も、週に3~4回の頻度で通院によるリハビリを続け、事故から約10か月が経過した時点で症状固定となり、後遺障害の申請を行いました。
後遺障害を申請した結果、右肩甲骨々折後の右肩関節運動時痛、右臥位困難との症状について、骨折部の変形が認められ、他覚的に神経系統の障害が証明されるものと捉えられることから、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として、12級13号の認定を受けました。
その後、後遺障害12級13号を前提に、示談交渉へ移りました。
当事務所が関与した結果
①物損
弊所としては、刑事記録を検討の上、判例タイムズ【307】図の基本過失20(男性側):80(相手方)を元に、男性が進路変更する際に合図を出していないことで、男性側の過失に+10、相手方が黄色信号を確認するも減速せずにそのまま車両を交差点に進入した点について、男性側の過失-10として考え、20(男性側):80(相手方)として相手方弁護士に主張しました。
それに対し、相手方弁護士は、判例タイムズ【236】図を元に、男性が赤信号にて自転車で横断歩道を横断しようとした結果、相手車両は停止線手前で安全に停止できないため止む無く黄色信号で交差点に進入したとして、85(男性側):15(相手方)との見解を示しました。
その後、弊所で新しい捜査報告書を取り寄せ、相手車両は、対面信号が赤色に変わってから交差点に進入している旨を指摘し、再反論を行いました。
弊所としては裁判移行も視野に入れていましたが、被害者の男性としては、裁判は出来る限り避けたいとの意向から、最終的に50(男性側):50(相手方)で折り合いを付けることとし、物損は解決となりました。
②人損
示談交渉おいては、逸失利益が争点となりました。
相手方弁護士としては、男性の医療記録を取り寄せた上で、事故から7か月が経過した時点の男性の右肩の可動域において、症状固定時及び復職時と同程度であるとして、休業の必要性は事故から7か月であると主張し、減収もないことから、逸失利益ゼロ、その結果最終的な賠償提示額としてもゼロとの回答を出してきました。
そこで弊所は、現在男性に残存している症状やその症状により仕事や日常生活に支障が出ている点を具体的に挙げ、本件の事実関係においても逸失利益が認められるべき旨、再反論を行いました。
その結果、逸失利益ゼロとの当初の回答から150万円まで増額し、後遺障害の自賠責保険金を含め、最終的に合計374万円で解決しました。
弁護士の所感(解決のポイント)
逸失利益に関し、賠償義務者側は、減収がないので逸失利益は認められないとか、減収がないので通常より少ない金額しか認めない、などと反論してくることが多いです。
逸失利益の算定方法には様々な考え方があるところですが、少なくとも現在の裁判実務は、減収の有無のみを過度に強調するわけではなく、後遺症の内容や支障の程度、減収が生じていない理由などを細かく検討した上で、結論を導いているものと考えられます。
本件でも、相手方と粘り強く交渉を継続したことが、逸失利益は発生していないとの当初の回答を覆すことにつながったものと思っています。
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監修者弁護士 岩間龍之介
福岡県久留米市出身。
交通事故被害者からの相談に真剣に向き合い、加害者側との間に入ることで精神面でも支えとなれるよう最大限の努力をいたします。