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自転車保険選びの注意点
以前より、相談者で自転車に乗った加害者に轢かれて怪我を負ってしまったという方が相手の資力がないため適正な賠償が得られないなされない場合があること、裁判例等でも多額の賠償が命じられたものもあることなど、以前から自転車保険の重要性については当コラム等でも書かせていただきました。
今回は、自転車保険選び方の注意点についてまとめてみました
自転車保険の内容
まず、自転車保険の内容としては、大きく3点あります。
- 対人賠償責任保険(怪我を負わせてしまった時の保険)
- 人身傷害補償保険(自身が怪我をしてしまった時の保険)
- 特約(盗難保険、示談代行サービス等)
①対人賠償責任保険
対人賠償責任保険は、賠償額が充分かという点が最重要かと思われます。
自転車保険には上限額が1億円を超えるものなどあり、過大な保険ではないかと感じることもあるかもしれません。
しかし、被害者が若年者の場合で後遺障害が残った場合は逸失利益(将来の減収分)の額が高額になり、高齢者である場合でも、事故により重傷になる傾向があることから、自転車事故による賠償額は被害者属性に限らず高額となる場合があります。
なお、民事上の責任だけではなく、自転車で怪我を負わせてしまった場合、「重過失致傷罪」等、刑事事件となる場合もありますが、保険により適正な賠償がなされることにより、処分が軽くなる場面もあると思われます。
誰の責任まで保証されるのか(被保険者の範囲)という点には注意が必要です。
加入した当事者だけか、その配偶者、同居の親族、別居の未婚の子等、どこまで被保険者となるのかという点な確認すべきです。
②傷害保険
傷害保険は、保険加入者自分が怪我をしたときの備えのためのものであり、死亡・後遺障害で○○万円・入院日額○○円などと定められていることが多いです。
ご自身の補償についてなので、保険料との関係でどこまで補償を求めるかを検討することになります。
③特約について
以上の基本保険に加えて、自転車保険にはさまざま特約があります。
示談代行サービス特約、弁護士費用一部負担特約、今回は、その中で盗難補償特約等について説明します。
福岡県警察によると、平成27年中の福岡県内での自転車の盗難件数は1万2,156件、1日あたりにすると、約33台の自転車が盗難被害に遭っています。
ロードバイク、クロスバイク等の場合もそうですが、それにかぎらず、電動アシスト自転車など高価な自転車もよく目にします。
そのため、盗難対策としては、防犯登録や施錠は当たり前の対策として盗難補償特約をつけるという選択肢があります。
なお、盗難保険は保険約款上「保険金を支払わない場合」として、防犯登録、施錠がなされていない自転車の盗難はもちろん地方公共団体が定めた自転車放置禁止区域における盗難が記載されていることが多く、福岡市内中心部は、当該区域も多いのでその点は注意すべきです。