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ドライブレコーダー設置のススメ
はじめに
交通事故事件を多く取り扱っていると、「コレさえあったらもっと有利に事件解決ができるのに・・・」と思うものがあります。
一つは弁護士費用特約。
弁護士費用を支払うことを考えると経済的なメリットがない事件(弁護士費用>賠償金増額分)でも、コレさえあれば弁護士に原則無料で依頼が可能です。
もう一つは人身傷害保険。
被害者に過失が大きい事故では、人身傷害保険で被害者過失部分を回収できるため、コレさえあれば結果として損害の全額補填が可能です。
最後の一つが本コラムで扱うドライブレコーダーです。
以下では、私がドライブレコーダーの設置をオススメする理由をご説明します。
過失割合確定の方法
一般的に、交通事故の過失割合は、別冊判例タイムズ38という書籍を用いて検討します。
この書籍には事故態様ごとに基本的な過失割合が設定され、これに過失を増減させる修正要素というものが記載されています。
たとえば、四輪車2台が同方向に進行していたところ、先行する四輪車が進路変更し、後続する四輪車の進路と重なって衝突した場合の基本過失割合は先行車:後続車=70:30です。
そして、先行車がウインカー無しで進路変更した場合は、修正要素「合図なし」として後続車の過失が20減じられ、先行車:後続車=90:10の過失割合になります。
また、青信号で交差点に入った際、左から車が突っ込んできた場合、相手が赤信号になるため、青信号で進行した車の過失は0です。
この法律判断は難しい話ではありません。
問題は、「ウインカー無く進路変更した」「相手が赤信号で交差点進入した=自分は青信号で進入した」という事実を主張する側が証明しなければならない点です。
事実の立証の難しさ
過失割合で大いに揉めるのは、この「ウインカーを出したか否か」、「どちらの信号が青だったか」という事実について、双方の主張が対立するときです。
「ウインカーの有無」でいうならば、先行車は「ウインカーを出した」と主張しますし、一般的にウインカーは出すものなので、他に証拠がなければ「(たぶん)ウインカーは出していた」ということで過失割合は70:30のままです。
また、双方が青信号主張の場合は0:100なのか100:0なのかの争いになりますから、裁判を起こし、双方の尋問まで進むことが多いです。
それでも決め手に欠ける場合、ざっくりと50:50といった和解案が裁判所から出されることもあります。
これらの結末が被害者の考える真実と異なると、やはり受け入れがたい、悔しい思いをされることになります。
ドライブレコーダーがあれば・・・
この問題の大部分を解決してくれるのがドライブレコーダーです。
「ドラレコにばっちり映ってますよ」の一言で事実に関する争いが終わります。
これにより、過失割合という一つの争点が消え、休業損害や逸失利益、慰謝料などの損害額に主張立証を集中させることができ、結果として事件の解決も早まります。
ドライブレコーダーがなければ裁判所で尋問を受けなければならなかった事件が、速やかに示談で終わるかもしれないのです。
おわりに
弁護士費用特約、人身傷害保険、ドライブレコーダーのことを、個人的に「交通事故三種の神器」と呼んでいます。
それくらい、これらは重要な武器になるのです。
かくいう私も交通事故三種の神器を備えています。
ドライブレコーダーは自動車用品店で本体1万5,000円、工賃5,000円程度でした。
GPSがついていると走行速度も記録されるのでより証拠として使いやすいです。
自分に不利な映像も映りますが、私はドライブレコーダーを付けてからより安全運転になりました。
ドライブレコーダーに2万円支払うのを高いと見るか安いと見るか。
日々交通事故の損害賠償額を見ている私からすれば、いざ事故に遭って失うかもしれない過失割合分(軽傷のときでも数十万円分くらいになります)を考えると決して高いものではないと思います。
また、保険会社によってはGPS付ドライブレコーダー貸出しの特約を新たに発売したところもあります。
自分の身を守るのは、最終的に自分の備えです。
交通事故を多く扱う弁護士だからこそ、私はドライブレコーダー設置を本気でオススメします。
解決実績(一例)
- 継続的なサポートにより後遺障害14級認定、合計605万円の補償を受けた事例
- 当事務所にご依頼いただき、保険会社の提示より約100万円増額した事例
- 後遺障害等級認定サポートで14級認定、交渉により約265万円が補償された事例