10代女性の顔に残った傷に後遺障害9級が認められ1216万円の補償を受けた事例

• 2023/04/07
• 2023/06/09

主な項目	金額
傷害慰謝料	約181万円
後遺障害慰謝料	690万円
逸失利益	約570万円
最終支払額	1216万円

相談・依頼のきっかけ

春日市在住の10代の女性が、片側一車線の道路を横断していたところ、道路を直進していた自動車にはねられるという事故に遭いました。

事故によって左半身や顔面を強く打った被害者の女性は病院へ緊急搬送されました。

搬送先の病院で下口唇・左膝関節挫創、鼻骨骨折、顔面・両膝擦過傷、歯牙破折、腰椎捻挫、左腸骨部および左大腿部打撲傷、両膝打撲傷、左側胸打撲傷等と診断され、特に下唇の傷が深く、縫合処置を受け、顔が腫れてしまいました。

そういった状況にも関わらず、加害者から謝罪したいと連絡が入り、会える状況にないと拒否したところ、加害者側の保険会社からこちらの過失を認めたくないのだろうと言われ、ご家族も精神的に傷ついていました。

万が一顔に傷跡が残ってしまった場合に備えてしっかりと賠償を受けたいということでご相談に来所され、そのままご依頼いただくことになりました。

当事務所の活動

ご依頼いただいた時点では事故からまだ日も浅かったため、治療のポイントをアドバイスし、まずは今後治療を受けていく病院を探していただきました。

加害者側の保険会社とのやりとりをご家族の方は負担に感じていたため、病院決定の連絡等、保険会社とのやりとりを全てこちらで対応し、治療に専念できる環境をつくるサポートをしました。

打撲・捻挫による痛みについては早期に改善されたものの、傷跡や歯の治療は長期にわたる可能性が出てきました。

ご家族の精神的なストレスを軽減するためにも、将来かかる治療費を各病院へ確認した上で、賠償金の中に将来の治療費も含めて話し合いができないかと保険会社へ交渉しました。

将来治療費についての話し合いがまとまり、治療も一段落ついたころ、症状固定とし、後遺障害の申請に移りました。

傷跡が後遺障害に該当するかを調べるために行われる面接調査には弁護士も同行し、調査員とともに傷跡の大きさを確認しました。

当事務所が関与した結果

後遺障害申請の結果、口唇部の瘢痕及び線状痕について、「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として自賠責施行令別表第二第9級16号の認定を受けました。

その後、示談交渉を開始しました。

示談交渉において最も大きな争点となったのは逸失利益でした。

傷跡に関する後遺障害による逸失利益については、モデルなどの容姿が収入に直結する職業でなければ、後遺障害が収入に与える影響はほとんどないとされ、逸失利益が認められないことも多くあります。

しかし、今回は被害者の将来の夢が芸能関係であり、そのために学校卒業後の進路も決まっていたという事情があったことを主張し、逸失利益が最大限認められるように交渉しました。

その結果、裁判をすることなく逸失利益について約570万円が認められ、合計1216万円の補償を受けることができました。

弁護士の所感（解決のポイント）

まず、後遺障害の何級に認定されるかが、賠償額に大きく影響するところ、後遺障害認定手続の際の面談に同行するなどして、適正な等級認定がなされるようサポートしました。

その結果、後遺障害9級の認定がなされたことが、良い解決に繋がった一番のポイントであると思います。

その上で、外貌醜状の場合に争点となりやすい逸失利益について、具体的な事情を粘り強く相手方に伝えることにより、非常によい金額での示談を勝ち取ることができました。

外貌醜状に関する示談交渉は、交渉のやり方によって結果が大きく変わることが稀ではないと思いますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

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