高次脳機能障害で後遺障害2級認定、約2583万円の補償を受けた事例

相談・依頼のきっかけ

福岡市在住の80代の女性が、川沿いの道路を歩いていたところ、T字路で右折してきた自動車にはねられるという事故に遭いました。

事故により被害者の女性は重体となり、病院へ緊急搬送されてそのまま入院となりました。

搬送先の病院で急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、外傷性脳挫傷、後頭骨骨折、右側頭骨椎体骨折、左肘頭骨折、両側膝蓋骨骨折、左大腿骨内顆骨折、右脛骨高原骨折等と診断されました。

ご親戚の方が以前交通事故にあった際に弊所にご依頼いただいたことがあるということで、今回もご相談に来所され、そのままご依頼いただくことになりました。

当事務所の活動

事故からしばらくたつと、被害者は会話ができる状態にまで回復しました。

しかし、事故以前に比べて認知症の症状が進んだように感じるとご親族よりご連絡いただいたため、事故前後でどのように変わったのか詳細なメモをとるようアドバイスを行いました。

その後も懸命に治療を受けていましたが、被害者自身で身の回りのことを行うことが難しい状況が続き、事故から半年ほどたったころ、症状固定となり、後遺障害の申請を行いました。

当事務所が関与した結果

後遺障害申請の結果、記憶障害、見当識障害等の症状については脳外傷による高次脳機能障害や身体性機能障害が残存していると見られ、「神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」として後遺障害2級1号の認定を受けました。

今回のように賠償金が高額になる事案では、相手方保険会社内で金額を提示するために慎重な検討が行われることが多く、示談交渉に時間がかかるケースが多いです。

しかし、ご親族や成年後見人から早期解決を希望するという意向があったため、示談交渉での解決には重きをおかず、早い段階で示談交渉を打ち切り、調停へと移行しました。

早期解決に向けご親族や成年後見人と打ち合わせの上、請求内容をしぼって争点となりうるものを少なくした結果、調停申し立てから解決まで4か月というスピード解決をすることができました。

弁護士の所感（解決のポイント）

今回はご親族のお知り合いの方が成年後見人に選任されており、後遺障害申請手続きや示談交渉、調停については、成年後見人の先生と連絡をとりながら方針を決定し、進めていきました。

ご親族が早期解決の希望を持っており、成年後見人の先生からも、裁判ではなく民事調停で早期に解決を図ってほしいという要望がありましたので、そのように進めさせていただきました。

民事調停は、今回のように賠償額が高額とある見込みであるものの争点は少なく早期解決を図りたい、という事案に適しています。

通常の裁判であれば、本件では最短でも1年以上の時間が必要だったと思いますが、調停という手続きを選択することによって、適正な金額の賠償金を早期に受領するというご親族の方々の希望に沿うことができたと思います。

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