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- 死亡事故で1600万円の提示額からご遺族への慰謝料を含め3600万円で解決した事例
死亡事故でご遺族への慰謝料を含め保険会社提示から2000万円増額した事例
【被害者】 | 女性(当時80代) / 福岡市在住 / 職業:無職(年金暮らし) |
【傷病名】 | 死亡 |
【活動のポイント】 | 保険会社の提示からの示談交渉・裁判 |
【サポート結果】 | 適切な賠償額の獲得(提示額より2000万円増額) |
主な項目 | 金額 |
---|---|
逸失利益 | 約865万円(年金分:約235万円・家事分:約630万円) |
死亡慰謝料 | 約2300万円 |
遺族固有の慰謝料 | 約100万円 |
葬儀費用 | 約120万円 |
最終支払額 | 約3600万円 |
お客様の声
相談・依頼のきっかけ
当時80代の福岡市在住の女性が、犬の散歩の為、夕方の薄暗い時間帯に信号のない横断歩道を徒歩で横断していたところ、直進してきた自動車に衝突されるという事故に遭われました。
被害者は本件事故により、骨盤骨折、両側多発肋骨骨折、第11胸椎破裂骨折、重症頭部外傷、右外傷性血気胸、出血性ショック及び四肢擦過傷等の傷害を負って病院に救急搬送され、同院で蘇生措置を受けたものの、事故の発生から約5時間後、同院においてお亡くなりになりました。
弊所にご相談頂いたのは、事故発生後被害者がお亡くなりになられてから、もうすぐ1年が経とうという頃でした。
はじめに、県外にお住まいの被害者のお孫様からご連絡をいただき、加害者の保険会社から事前提示書面が届いた為、ご遺族間で話し合った結果、交渉を弁護士に依頼したいとのことでした。
被害者のお孫様とのお電話相談や、被害者と同居されていた娘様のご来所相談後、いったん契約書をお持ち帰りいただき、再度ご遺族間でお話合いの上、後日ご依頼いただくこととなりました。
当事務所の活動
ご相談の日程調整をさせて頂いた時点で、既に相手保険会社から事前提示書面が届いていることが分かりましたので、相談の前段階で事前提示書面を見せて頂き、相談に向け損害額の算定を行いました。
ご依頼後は本格的に損害額の算定にあたっての疎明資料(本人以外の方が交付請求する場合の請求事由(発生原因・内容・理由)について客観的に確認することができる資料のことです。)の収集を実施し、ご遺族の方への確認やご説明を密にさせていただきました。
大切なご家族をなくされたご遺族の悲しみに対し、法律的な賠償の算定となるとどうしてもご不明点も多くなるかと思いますので、出来る限り専門用語を使わずご説明させていただき、ご不安点をなくした状態で相手方に請求することに努めました。
最初は相手保険会社との示談交渉を進めてまいりましたが、どうしても弊所の請求額と相手保険会社の回答額の差が開きすぎていた為、ご遺族の方にご説明し、ご納得頂いた上で、裁判に移行いたしました。
裁判に移行するにあたっても、訴状のご確認や物損の先行示談についてなど、逐次報告・確認に努め、ご不安を与えぬよう心がけました。
いざ裁判が始まってからも、期日のご報告や今後準備が必要になってくる事柄の共有等を欠かさぬようにいたしました。
当事務所が関与した結果
今回の争点は、逸失利益と死亡慰謝料・ご遺族固有の慰謝料の金額でした。
逸失利益については、相手保険会社は当初、示談交渉の時点で年金部分しか認めておりませんでしたが、被害者はフルタイムで働く娘様と同居しており、掃除洗濯等家事の大半を担う専業主婦でした。
示談交渉の段階では家事労働逸失利益は認められませんでしたが、裁判で主張した結果、家事部分として約630万円の賠償を受けることができました。
また、死亡慰謝料・ご遺族固有の慰謝料については、相手保険会社は死亡慰謝料が1600万円、ご遺族固有の慰謝料に関しては認めないとの回答でした。
裁判にあたり、死亡慰謝料では、被害者は高齢ではあったものの健康状態に問題はなく、家事等に精力的に取り組んでいたことを主張しました。
ご遺族固有の慰謝料については、娘様が唯一の同居人を亡くされたことにより、今後の家事負担が就労に差し支え、経済的支障を被る可能性や、何より心身ともに支えてくれていた唯一の同居人なくしたことによる喪失感等、精神的に大きな支障を被ったことを主張しました。
結果、死亡慰謝料について、2300万円、ご遺族固有の慰謝料について100万円の賠償が認められました。
相手保険会社の示談交渉時点での最終回答額は1970万円でしたが、裁判に移行し、最終的に裁判所から和解案として出された金額3500万円に対し、更に100万円の増額交渉をした結果、最終的に3600万円の賠償を受けることが出来ました。
弁護士の所感(解決のポイント)
本件では、慰謝料と逸失利益が大きな争点となりましたが、いずれもご遺族の方から被害者の生前の生活状況を聞き取ることにより、裁判で大きく増額することができました。
ご遺族の方が被害者の生活状況をお話されることは、ご遺族の方にとって、辛い側面もあったと思います。
ご遺族の方のご協力があったからこそ、本件のような適正な補償による解決をすることができたと思います。
2020.6.12掲載