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自賠責と裁判所における醜状痕(傷跡)の評価の違い
醜状痕(傷跡)と慰謝料
交通事故により顔面や上肢・下肢に傷跡が残ってしまった場合、自賠責保険においては、傷跡・瘢痕の大きさに応じて、7、9、12、14級の後遺障害等級を認定しています。
今回、事故で火傷を負い、両下肢全体に瘢痕を残してしまった方がいらっしゃいました。
下肢の瘢痕については、自賠責保険においては、手のひら大以上であれば14級、手のひらの3倍以上であれば12級の認定がされます。
ただし、下肢については、12級を超える等級認定はありません。
この方は、両下肢で手のひらの3倍を優に超える瘢痕が残ってしまったため、両下肢それぞれで12級、併合して11級の認定がされました。
しかし、当事務所では、実際の瘢痕の大きさからすれば、併合11級では評価しつくされていないと判断し、両下肢全体の瘢痕を7級相当であるとして、後遺症慰謝料を請求する裁判をしました(ほかにも争点はありましたが割愛します)。
裁判所は、自賠責の等級認定に拘束されることなく、自由な心証により、損害を評価することができるからです(とはいえ、自賠責の等級認定はかなり重視されます)。
結果、7級相当の後遺障害であることを前提に裁判所から和解案が提示され、無事に和解が成立しました。
同じ後遺障害等級であっても、被害者の方が抱える悩みは同一ではありません。
これからも一人一人の被害者の方と向き合ってベストな解決を目指していきたいと決意を新たにしました。
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執筆弁護士 桑原淳
福岡県古賀市出身。
個々の被害者が受けた被害をきちんと受け止め、被害者それぞれに最適な解決方法を見つけていくことを大切にしています。