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交通事故による関節拘縮と可動域制限
- Q
- 関節拘縮と可動域制限とは?
- A
- 骨折や脱臼等の外形的に明らかな器質的損傷は認められない場合であっても、痛み等の理由、また治療による固定具等の装着で関節を動かず、次第に関節の動く範囲が狭くなることを「関節拘縮」といいます。
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交通事故により、肩関節や膝関節が曲がらなくなることはよくあることです。
たとえば、肩関節の可動域制限による後遺障害は、健康な側の肩と比べて可動域の4分の3以下に制限されている場合に12級、2分の1以下に制限されている場合には10級、用を全廃したもの、つまりほぼ動かなくなってしまった場合には8級が認定されます。
単に可動域が制限されているだけで等級認定が認められるわけではなく、可動域が制限されるに至った原因、たとえば骨折や脱臼等の器質的な傷害がなければ、等級認定は認められにくいです。
しかし、器質的傷害が認められなくても、可動域制限に基づく後遺障害が認定されるケースもあります。
骨折や脱臼等の外形的に明らかな器質的損傷は認められない場合であっても、痛み等の理由、また治療による固定具等の装着で関節を動かせないでいると、次第に関節の動く範囲が狭くなります。
これを関節拘縮といいますが、最近の裁判例において関節拘縮を理由に等級認定を認めたものがあります。
大阪地裁平成24年5月17日
この事案は、被害者が事故当日から右肩の圧痛により、自動他動とも痛みが強く動かせないと訴えて、右腕の固定を受けるなどし、その後もリハビリ治療を受けるなどしているものでした。
そして、損害保険料率算出機構及び紛争処理機構においての等級認定では、右肩関節可動域制限は骨傷等の器質的な損傷所見は認められず、医証上においても訴え症状を裏付ける医学的初見に乏しいことから、症状を説明しうる外傷所見が認められず、後遺障害は認められないと判断していました。
これに対して、裁判においては、器質的損傷がないとしても、関節を動かせないでいると関節拘縮が生じ、これにより可動域制限が生じている場合には後遺障害が残存したといえると判断しました。
関節拘縮の解決事例
- 加害者が自転車保険に加入していない交通事故で2350万円が補償された事例
- 後遺障害申請からサポートを行ない、裁判せずに裁判基準の補償を受けた事案
- ひき逃げ事故の被害者が、裁判せずに人身傷害保険金を提示より大幅増額した事案