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裁判で傷跡についての逸失利益が認められ、合計2,730万円が補償された事例
被害者 | 10代男性 /飯塚市在住 / 学生 |
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傷病名 | 左上腕~手部デグロービング損傷、左手指骨多発開放骨折、肛門部裂創、 左背部~殿部デコルマン創 |
活動のポイント | 後遺障害等級認定サポート・示談交渉 |
後遺障害 | 併合11級 |
サポート結果 | 適切な後遺障害等級認定・適切な賠償額の獲得 |
主な項目 | 金額 |
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傷害慰謝料 | 255万円 |
後遺障害慰謝料 | 420万円 |
逸失利益 | 1398万円 |
通院交通費 | 4万円 |
入院雑費 | 20万円 |
付添費 | 113万円 |
最終支払額 | 2730万円(治療費除く・自賠責保険金・人身傷害保険金含む) |
相談・依頼のきっかけ
飯塚市在住の10歳の男の子が信号機のある交差点で横断歩道を歩いていたところ、右折してきたダンプカーに衝突され、15メートルほど引きずられるという事故に遭いました。
事故により、被害者の男の子は、左上腕~手部デグロービング損傷、左手指骨多発開放骨折、肛門部裂創、左背部~殿部デコルマン創の怪我を負い、そのまま入院することになりました。
4か月ほど入院したあとは通院での治療に切り替え、事故から8年間治療を続け、後遺障害申請や示談交渉のタイミングを相談したいということでご相談いただきました。
当事務所の活動
ご相談に来ていただいた際には、すでに事故から8年が経過しており、身体に残ってしまった傷跡の状態について年に1度診察を受けて経過観察をしているのみ、という状態でした。
成長期の子どもの事故ということもあり、成長が止まるまで経過を見るべきという医師の意見があり、治療が長期に渡っていました。
弁護士としても、主治医の先生の意見を聞きながら、後遺障害を申請するタイミングを決める必要があると判断し、年に1度の診察に弁護士が同行し、症状固定時期及び後遺障害申請のタイミングについて医師から意見を伺いました。
医師によれば、今後新たに手術をすることもなく、傷跡の状態は良くも悪くも大きな変化は見込めないということでしたので、この診察をもって症状固定の判断をしていただき、後遺障害の申請にうつることになりました。
また、当時10歳であった被害者本人に事故状況の記憶がなかったため、事故状況について刑事記録を取り寄せたうえ、事故状況の確認及び過失割合の検討を行いました。
刑事記録では、被害者が赤信号で横断歩道を横断していたという記載になっており、相当程度の過失が認定されてしまう可能性があったため、加害者に加え、被害者の両親が加入する保険会社から人身傷害保険金の支払いを受けることを前提に、示談交渉を進めることにしました(詳細は割愛しますが、人身傷害保険とは、被害者の過失割合に関係なく約款記載の算定基準に従って支払いを受けることができる保険のことです。)。
両方の保険会社と示談交渉を行っておりましたが、いずれも適切な金額の提示がなされなかったため、両保険会社を被告として裁判を提起いたしました。
当事務所が関与した結果
後遺障害申請の結果、左前腕~手部デグロービング損傷、左手指骨多発開放骨折後の左異状死の瘢痕・痒みの症状について「てのひらの大きさの3倍程度以上の瘢痕を残しているもの」として12級相当に、左上肢植皮に伴う右大腿部の採皮痕についても同様に12級相当、左背部~殿部デコルマン創後の瘢痕については「背部及び臀部の全面積の1/4程度以上の範囲に瘢痕を残すもの」として14級相当に認定され、この3つを合わせて併合11級の認定を獲得することができました。
裁判においては、主に過失割合や逸失利益(後遺症が将来の就労や収入にどの程度影響するのか)が争点として争われましたが、結果的に、加害者が加入する保険会社から賠償金1147万円、被害者の両親が加入する保険会社から人身傷害保険金として1252万円、自賠責保険から保険金として331万円、あわせて2730万円の補償を得ることができました。
弁護士の所感(解決のポイント)
小さい子供が事故にあった際には、成長に伴って当時判明していなかった後遺症が出てくる可能性があるため、弁護士としては、主治医の先生の意見を聞きながら、後遺障害を申請するタイミングを決める必要があります。
今回は、主治医の診察に同行することができましたので、主治医から直接意見をお伺いできたことで、スムーズに後遺障害申請手続きに移行することができました。
また、刑事記録において、加害者の供述や目撃者の証言から被害者が赤信号で横断歩道を横断していた際に車にはねられたとされておりましたので、子供とはいえ、被害者にも相当程度の過失が認められてしまうことが予想されました。
今回は、運良く、両親が加入していた自動車保険の人身傷害保険を使うことができましたので、加害者からの賠償では控除されてしまう分を人身傷害保険からの保険金支払いによって埋め合わせをすることができました。
裁判では、身体に残ってしまった傷跡が将来の就労や収入にどの程度影響するのか、という点も大きな争点となりました。
保険会社は、いずれも、傷跡は就労や収入に影響はしない(見た目の問題は慰謝料で十分に支払いがされている)という理由から、逸失利益は払わないという反論をしておりました。
たしかに、身体に傷跡が残ったという後遺症の場合、傷跡の場所や程度、職種によりますが、服装で隠すことによって何ら支障なく就労することができる場合もありますので、逸失利益が認められないというケースも存在します。
もっとも、今回の被害者は事故当時10歳、訴訟提起時も学生で、これから就職活動を行い将来の仕事を決めていくという段階でしたし、服装では隠すことができない部位にも大きな傷跡が残っていましたので、これらの点を強く主張し争った結果、裁判において逸失利益の賠償が認められました。
事故から解決まで被害者本人やご両親にとってはとても長い時間がかかったことになりますが、弁護士にご依頼いただき裁判を行った結果、適切な賠償金や保険金の支払いを受けることができ、本当に良かったと思います。
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