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嗅覚脱失及び頭部外傷後の神経症状で約1,730万円の補償を受けた事案(併合11級)
相談・依頼のきっかけ
福岡市在住の40代主婦の方が、信号のある交差点で、横断歩道を歩行中、前方から右折してきた自動車と衝突するという交通事故に遭い、頭骨骨折、硬膜外血腫等の大きなけがを負いました。
依頼者は後遺障害の認定や賠償基準について知りたいとのことで、当事務所に相談されました。
当事務所の活動
治療終了直前の段階で受任することになり、相談時より、嗅覚脱失を訴えておられたので、嗅覚脱失のために必要なT&Tオルファクトグラムというテストを受けてもらい、後遺障害診断書にその結果を記載していただいた上で、被害者請求をし、嗅覚脱失により12級相当、脳挫傷痕の残存があることから、局部に頑固な神経症状を残すとして、12級13号、結果的に併合11級が認定されました。
等級獲得後、相手方との交渉において、逸失利益及び争点となりました。
相手方は、被害者の頭部外傷後の神経症状については、他覚的に所見があるのみで具体的に労務に支障はないなどとして、嗅覚脱失の逸失利益のみであると主張してきました。
しかし、現時点での顔の張りや頭痛などの具体的症状を主張し、さらに頭部の外傷であることから、今後いかなる症状が出るか不明であり、被害者本人もその点を強く危惧していることなどを主張しました。
当事務所が関与した結果
その結果、既払いを除いて約1,730万円を獲得できました。
傷害慰謝料 | 160万円(裁判基準) |
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後遺障害慰謝料 | 420万円(11級裁判基準) |
逸失利益 | 約979万円※ |
基礎収入:約354万円(女性全年齢平均賃金)・労働能力喪失率:20%(11級裁判基準)・労働能力喪失期間:24年(就労可能年数)
担当弁護士の所感(解決のポイント)
こちらとしては11級の認定に争いは無いと考えており、訴訟になれば裁判基準が認められるのは必須であるという主張をした上で、最終的には、裁判基準の金額に、若干遅延損害金相当額を認めてもらう形で示談ができました。
訴訟に至らない、訴外の交渉段階では、遅延損害金等の金額を加えた提示がされることはまれですが、裁判に至れば遅延損害金が加わるという点を十分に主張したうえで交渉できた点が、このような解決に至ることができた要因だと思います。
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2015.4.9掲載