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最高裁で逆転勝訴!-人身傷害保険に対する弊所の活動-
弊所にご依頼いただいた交通事故事件について、令和4年3月24日に最高裁で判決が言い渡されました。
その結果は、福岡地裁及び高裁の判断が覆されて逆転勝訴となりました!
» 令和2(受)第1198号・ 損害賠償請求事件
この事案は、交通事故の損害額について人身傷害特約(人傷特約)からも支払いを受けるときに被害者に支払われる賠償金の額が問題となったものです。
今回は、まず人傷特約について簡単にご説明し、今回の最高裁判決の意義について解説いたします。
被害者の過失分の損害も補償される特約
人傷特約は、交通事故で被害者に生じた損害について、相手の保険ではなく自身の保険から保険金が支払われる仕組みです。
人傷特約を利用することで、被害者に過失がある場合でも、過失分も含めたすべての損害について補償される可能性が高くなります。
また、人傷特約の請求の仕方には、「賠償先行」と「人傷先行」の2種類があります。
賠償先行
賠償先行とは、まず相手方保険会社から賠償金を受け取り、その後に人傷特約から残りの損害を回収する方法です。
人傷先行
人傷先行とは、まず人傷特約から支払いを受け、その後に相手方保険会社から残りの損害を回収する方法です。
今回の最高裁判例は、人傷先行について人傷社(人身傷害補償保険の保険会社)との間で結んだ定型の協定書が問題となった事案です。
協定書の内容は、人傷先行の場合に、協定がない場合と比べて被害者が受け取る賠償額が低くなってしまうものでした。
福岡地裁・高裁の判断
福岡地裁、福岡高裁では、協定があることを理由の一つとして加害者側の主張に沿った賠償額を認定がされましたが、弊所は被害者側専門の法律事務所の立場から、「保険会社の言葉に従い、消費者(被害者)にとってよくわからない定型文言ばかりが並ぶ協定が結ばれたというだけで、協定がない場合に比べて賠償額が低くなるというのはおかしい。」と考えて最高裁に上告を申し立て、これが受理されました。
弁論
その後、弁論が開かれ、定型の協定書のために賠償額が減るということはおかしいと訴えました。
最高裁の判断
そして、逆転判決が下されるに至りました。
今回の最高裁判決は、実務への影響が大きく、極めて貴重な判決であると考えています。
人傷社と定型の協定書を結んでしまったとしても、賠償金全額の回収を諦める必要はなくなったからです。
しかし、今回の最高裁が出されたからといって、人傷社との協定書に関する問題がすべて解決したわけではありません。
本件以外の保険会社の約款で当てはまるかは、今後議論されていくこととなります。
今回の判決を受けて今後の保険会社の運用が変わる可能性もありますが、現状では、依然として人傷先行で協定書の取交しを行う際に注意を払う必要があります。
最後に
弊所は被害者側専門の法律事務所として徹底して交通事故被害者に寄り添い、妥協なく交渉を行っております。
交通事故の被害に遭いお困りの方はお気軽にご相談ください。