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過失割合が大きな争点となった死亡事故の裁判が終了しました
公開日:2022.11.15
はじめに
死亡事故の裁判が終了したのでご報告します。
今回は過失が大きな争点となり、弊所の主張が概ね認められました。
加害者側との交渉
被害者が信号のある交差点を自転車で横断したところ、同一方向から交差点を左折してきたトラックに巻き込まれ、残念ながら亡くなられたという事故です。
ご依頼を受け、被害者の方の損害を計算し、相手方に請求をしたところ、相手方は被害者に過失が50%あると主張してきました。
そのうえで、自賠責の認定額(上限額)以上に支払うものはないと回答してきました。
過失について当方の主張と相手方の主張が乖離していたため、裁判を提起することとなりました。
加害者側の主張
相手方は、相手方が左折を開始した際、歩行者用信号機は点滅していたことを理由に、被害者は歩行者用信号機が点滅しているタイミングで横断を開始したと主張しました。
加えて、被害者が横断開始前に車道右側を走行していたことを理由に、被害者の過失は50%以上あると主張してきました。
当方の反論
相手方の信号の色に関する主張に反論するため、刑事記録を精査しました。
刑事記録では、相手方の後続車両の運転手が目撃者として事故状況について説明している箇所がありました。
目撃者は、衝突の後、対面の車両用信号機を確認したら青色であったと証言していました。
被害者が、歩行者用信号機が青色点滅の状態で横断を開始したとすれば、衝突後時間をおかずに車両用信号機は青色から黄色、赤色へと変化するはずです。
また、目撃者が信号の色が変化したことを確認していれば、そのことについて警察に説明すると考えられるところ、信号機の色に関する目撃者の説明は、青色であったことのみでした。
以上の点を指摘し、被害者が横断を開始したとき、歩行者用信号機は青色であったと反論し、加害者である相手方の信号の色に関する主張は信用できないと主張しました。
裁判所の判断
その結果、裁判所より、被害者の過失は20%であるという和解案が示されました。
被害者が横断したときの歩行者用信号機の色は青色であったと認定され、その認定を前提とした過失割合が示されました。
そして、自賠責の認定額(上限額)の約2倍の賠償金が認められ、裁判をした結果、獲得金額が倍増するという結果になりました。
おわりに
死亡事故は、過失が争点となったとき、被害者の方の認識を確認することは叶いません。
ドライブレコーダー映像や目撃者の証言がなければ、加害者の意見を前提に事故状況が決められてしまうことも多いです。
今回の裁判は、目撃証言の重要性を改めて痛感する一件となりました。
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