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福岡県で自転車保険への加入が義務化?
はじめに
福岡県は、自転車の利用者に対し、自転車保険の加入を義務化する方向で検討に入ったそうです。
対象は、
- 自転車利用者(未成年の場合は保護者が対象)
- 事業活動で自転車を利用する事業者
- 自転車貸付事業者
が想定されているそうです。
ただし、未加入による罰則は設けられない見込みです。
「自転車が関連する」交通事故
福岡県では、平成30年中に31,279件もの交通事故が発生しており、その中の4,383件が自転車の関連する事故となっており、死亡事故は19件・重傷事故は162件にものぼります。
自転車事故全体の4割弱を小中高生や大学生が占めており、今年の8月には、福岡市西区の路上で小学生の男児を自転車ではね、左脛骨折の重傷を負わせ、そのまま立ち去ったとして過失傷害と道交法違反の疑いで高校1年生の当時15歳の少年が書類送検されています。
また、加害者が自転車の場合で、高額な賠償を認める判決もこれまでに多数出されています。
神戸地裁平成25年7月4日判決
【賠償額】約9,520万円
歩行中の高齢女性が当時小学5年生の男児が運転する自転車にはねられ、頭蓋骨骨折などの重傷を負い、意識が戻らない寝たきりの状態(遷延性意識障害)となった。
東京地裁平成20年6月5日判決
【賠償額】約9,260万円
歩行中の男性会社員が高校生男子の運転する自転車にはねられ、言語機能の喪失などの重大な障害が残った。
東京地裁平成19年4月11日判決
【賠償額】約5,430万円
青信号で横断歩道を横断中の女性が、信号無視で高速度で交差点に進入してきた自転車にはねられ、頭蓋骨内損傷等の重傷を負い、11日後に死亡した。
東京地裁平成15年9月30日判決
【賠償額】約6,770万円
横断歩道を横断中の女性が、下り坂をスピードを落とさずに進入してきた自転車にはねられ、脳挫傷等の重傷を負い、3日後に死亡した。
さいごに
自転車は、あくまでも軽車両です。
交通事故の加害者となれば、自動車の場合と同様に重い責任を追うことになります。
また、被害者は自転車か歩行者と生身となるため、骨折、高次脳機能障害や遷延性意識障害などの重傷、最悪の場合死亡となるケースも少なくありません。
しかし、自動車の自賠責保険のような強制保険がないなど、自転車事故に対する手当は不十分な部分が多いのが現状です。
だからこそ、もしもの時に自分自身・ご家族を守るためにも、そして、被害者の方への適正な賠償を受けていただくためにも、自転車保険への加入し、相応の準備をしておくことが非常に重要です。