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福岡では2倍!急増する「交通事故を引き起こす危険なあおり運転」について
はじめに
平成29年6月、東名高速での執拗なあおり運転の末に2人が死亡した事件以降、あおり運転についてのニュースをよく目にするようになりました。
またYoutube等の動画共有サイトでもあおり運転をドライブレコーダーが撮影した動画が多くアップされるなど、全国的に関心が寄せられているように感じます。
たくみ法律事務所のある福岡では、高速道路を走行する車両を対象として、車間距離を詰めたり、無理な追い越しをした車両のナンバーや違反をした場所を特定するために、高感度カメラを搭載したヘリコプターで監視するという取り組みを昨年から福岡県警が行っています。
昨年1月~10月には福岡だけで669件のあおり運転(車間距離不保持)が摘発されており、一昨年同月の311件と比べると、なんと2.15倍にも上っています。
今回のブログでは、あおり運転の具体例、科される可能性のある罪などを簡単にご紹介させていただきます。
あおり運転の具体例
一口にあおり運転といっても、様々なケースがあります。
具体的には、
- 車間距離を狭める、幅寄せして異常に接近
- 不必要なハイビーム、パッシンクで無理に進路を譲るよう強要する
- 相手の車両を追い回す
- 左側から追い越した後に前に割り込み、急ブレーキをかける
- 窓を開けて暴言を吐く
などが挙げられます。
あおり運転をした運転者に科される可能性のある罪
道路交通法違反
あおり運転で車間を詰めすぎた場合、車間距離保持義務違反となる可能性があります。
高速道路の場合は3ヵ月以下の懲役まはた5万円以下の罰金、一般道の場合は5万円以下の罰金が科されます。
ちなみに、車間距離の目安としては、
- 時速30~60kmの場合は「速度-15」 ex)時速60kmで走行していたら、60-15=45m
- 時速60km超の場合は、「速度と同じ」 ex)時速70kmで走行していたら、70m
となります。
もちろん、天候や路面、タイヤの状態等によっては上記の限りではないため、臨機応変に車間距離を変える必要があります。
また、車間距離を図る自信がない場合、車道の白線を利用するとわかりやすいです。
- 一般道:白線の長さ:5m、白線同士の間隔:5m
- 高速道:白線の長さ:8m、白線同士の間隔:12m
この他にも、あおり運転の末交通事故が発生し、被害者が死傷した場合には危険運転致死傷罪、無用な幅寄せや暴言で威圧すれば暴行罪、被害者を死亡させた場合は殺人罪に問われる可能性もあります。
あおり運転に巻き込まれないために
あおり運転は、車両を運転する以上、誰にでも巻き込まれる可能性があります。
なるべく巻き込まれないためにも、不必要な急発進・急停車をしなくていいよう、車間距離は十分にとる、キープレフトを心がける、場合によってはハザードランプを点灯させて減速しつつ路肩に車を寄せて道を譲る等、余裕をもって周囲に注意し、運転することが非常に重要です。
また、ブレーキを踏んでの警告は、追突の危険性があり、万一追突事故になった場合、「不必要なブレーキ」と判断されてしまうと被害者側にも過失がある=不利になってしまう可能性もあるので、絶対にやってはいけません。
また、万が一交通事故に発展してしまうケースもあるため、ドライブレコーダーをつけて自分の過失割合を不当に高くされないようにする等の対策が有効です。
まとめ
あおり運転は非常に危険な行為で、一度はされた経験があるという方も多いのではないでしょうか?(私も夜間に片側一車線の山道を法定速度で走行していた際に大型トラックに煽られた経験があります)。
被害に遭わないために、安全運転を心がけるのはもちろんですが、もし交通事故になってしまったときは、なるべく早い段階で弁護士にご相談されると、今後どうすればいいかもわかるので安心です。
2019.1.21掲載