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遺族年金を受け取ると、相手方に請求できる損害賠償から控除されてしまいますか?
遺族年金を受け取ると、相手方に請求できる損害賠償から控除されてしまうか
①控除の有無
遺族年金とは生計の担い手である被保険者がお亡くなりになったとき、国民年金・厚生年金保険や各種共済組合などから、一定の要件を満たす遺族の方に給付される年金です。
公的年金は2階建て方式といわれており、受給資格のある全国民に給付される遺族基礎年金(1階部分)と、賃金報酬に比例して給付される遺族厚生年金・遺族共済年金(2階部分)とがあります。
この遺族年金を受け取った場合に、損益相殺という考え方によって、その額が、損害賠償の額から控除されます。
損益相殺
損益相殺とは、不法行為による損害賠償の算定をする際に、被害者の方が損害を被った反面、その損害に関連して利益を得ている場合、損害賠償額の調整をするという考え方で、被害者の方が受けた利益額が損害賠償額から控除されることになります。
そして、遺族年金は被害者の方が亡くなられたことを原因とするものなので、この損益相殺の対象となります。
②控除の範囲
ここで、実際に受け取ったものだけではなく、遺族年金は将来にわたって受け取る可能性のあるため、どこまでの範囲が損益相殺の対象となるかが問題となります。
この点判例は、支給を受けることが確定した遺族年金の限度で、これを加害者の賠償すべきと判断しています。
そのため、既に支払われた遺族年金の額及び通知などが既に来ていて、支払われることが確定している額について控除されることになります。