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交通事故の示談交渉に弁護士が介入するメリット
はじめに
平成28年1月28日(土)、整骨院を経営されている先生方を対象にしたセミナーを開催しました。
合計26名の先生方にお集まりいただき、懇親会も含め大変ご好評をいただきました。
今回のコラムでは、セミナーでお話させていただいた内容のうち、交通事故の示談交渉に弁護士が介入することでどのようなメリットがあるのかについて、慰謝料を例にご説明させて頂きます。
慰謝料を算定する3つの基準
交通事故の賠償金は、弁護士が介入することで増額します。
慰謝料の算定方法には、自賠責基準(自賠責保険が用いる基準)、任意基準(保険会社が用いる基準)、弁護士基準(弁護士が用いる基準)という3つの基準があります。
任意基準は、公にはなっておりませんが、自賠責基準に比較的近いものです。
自賠責基準では、4,200円×通院期間、又は、4,200円×実通院日数の2倍の日数のいずれか少ない方が慰謝料額になります。
他方で、弁護士基準は、通称『赤い本』と呼ばれる本に書かれた表をもとに計算します。
例:他覚的所見のないむち打ちで、4ヵ月(120日)の期間で50日通院した場合
自賠責基準の場合
通院期間:120日 > 実通院日数の2倍の日数:100日(50日×2)
よって、慰謝料は42万円(=4,200円×100日)になります。
弁護士基準の場合
『赤い本』の4ヵ月の通院に対応する数字である67万円が慰謝料になります。
弁護士の介入で自動的に弁護士基準で計算した額になるということはありませんが、交渉によって任意基準で計算した額よりも増加させることができるのです。
治療期間が長すぎると賠償額が減ってしまう!?
裁判では、治療期間があまりにも長すぎる場合、不必要な治療・施術が行われたと判断されることがあります。
このような判断がされますと、保険会社が支払った治療費・施術費に不必要な部分があったとされ、その分だけ、慰謝料等から控除されてしまいます。
それだけではありません。
被害者の過失が大きい場合、過失相殺の結果、治療費・施術費が高額のケースでは、そうでないケースに比べて、最終的な獲得金額が低くなる可能性があるのです。
例:慰謝料50万円、被害者の過失割合2割の場合(保険会社は治療費を支払済み)
パターンA
- 治療費50万円+慰謝料50万円=100万円
- 100万円-過失20%(20万円)=損害額80万円
- 損害額80万円-既払い金50万円=被害者の獲得金額30万円
パターンB
- 治療費150万円+慰謝料50万円=200万円
- 200万円-過失20%(40万円)=損害額160万円
- 損害額160万円-既払い金150万円=被害者の獲得金額10万円
このように、治療期間が長すぎる場合、被害者の獲得金額が減ってしまう危険があるので注意が必要です。
また、賠償額の増額は、弁護士の力量・経験に左右されます。
私たちは、裁判になった場合のリスクを踏まえながら、裁判所の基準に近づけられるよう、粘り強く示談交渉を行っております。
交通事故の被害でお困りの方、是非一度、当事務所にご相談ください。