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医学知識を得るための整形外科医師との勉強会
医学知識を得るための整形外科医師との勉強会
たくみ法律事務所では、福岡県で活躍されている整形外科医師と定期的に勉強会、意見交換を行っています。
この整形外科医師との勉強会では、種々の議題があがります。
たとえば、弁護士から医師に対し、病院における法律問題(医療過誤、労務管理など)について説明することもあります。
また、医師から弁護士に対し、交通事故での傷害部位ごとに予想される症状や後遺障害の可能性、訴訟において問題となりうる怪我などについて説明をうけるものもあります。
今回の勉強会では、被害者側弁護士泣かせのTFCC損傷がテーマとなりましたのでご紹介いたします。
TFCCとは、三角線維軟骨複合体の略称であり、手首の小指側にある軟部組織です。
交通事故においては手をついたり、ひねったりしたときに損傷し、慢性的な手首の疼痛を生じます。
しかし、事故直後は手首の捻挫と診断され、基本的には保存療法が採られるため、疼痛が長引いた時点でMRI撮影などがなされ、事故から数ヶ月後に発見されることが多いです。
その上、TFCC自体があまり大きな組織ではなく、MRI画像上で損傷がきれいに見えづらいので、後遺障害認定がなされないことがよくあります。
このため、被害者側弁護士にとってもなかなか難しい傷病となっています。
勉強会では、整形外科医からTFCCの構造、初期症状、診断方法、治療方法、後遺障害残存見込みなどについて解説がありました。
そして、医師にとってもTFCC損傷を初期から鑑別することは難しいという意見を受けました。
これは、TFCC損傷の診断にはMRIが必要になりますが、手首の捻挫全てでMRIを撮影するのは一種の過剰診療になってしまうからです。
ただ、初期症状と慢性期症状、MRI診断の際の注意点等の解説を受けたため、私たち弁護士が考える、損害賠償における問題点・疑問点は大きく解消されました。
今後も、医師との勉強会を通じて、更に深く、更に広く医学知識を得ていきたいと考えています。