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ゾーン30という取り組みと交通事故
ゾーン30という取り組みと交通事故
最近、ゾーン30という取り組みが始まっています。
このゾーン30は、幅員の狭い生活道路で歩行者などの交通弱者が安全に通行できるよう、区域(ゾーン)を定めて最高時速30kmの速度規制を設定するものです。
また、速度規制以外にもゾーン内を抜け道として通行することも規制しています。
通常の速度規制は、道路毎に制限がありますが、ゾーン30では歩行者・自転車の通行が多い区域全体を一括で速度規制するため、その区域に進入する自動車数自体が減少し、ひいては交通事故の発生も減少することが期待されているのです。
ゾーン30自体は1990年代にヨーロッパで発案されたものです。
そして、これが日本にも導入され始めているのは次のような事情があります。
すなわち、ここ10年、交通事故の件数は大きく減少(平成13年から同22年までで23%減少)していますが、幅員5.5m未満の生活道路では交通事故件数の減少率が低い(同期間で8%減少)ため、生活道路上の事故を防止する対策が必要とされたためです。
平成29年3月までに、全国3,000の区域でこの取り組みがスタートする予定です。
福岡でも、香椎小学校周辺の区域がゾーン30と指定され、今後も指定区域が増加する見込みです。
生活道路での事故は、他の道路と比べて車対歩行者(自転車)の事故が多いです。
そして、生身の人間と車の衝突は、多くの場合重大な結果をもたらします。
その不幸がいかほどのものかは、弁護士という私の仕事上、常に目の当たりにしているところです。
自動車の運転者にとっては少々不便なことかもしれませんが(私も自動車はよく運転します)、加害者になる、被害者を不幸にすることと比べれば取るに足らないことです。
今後、さらなる安全対策が進み、交通事故がゼロになる。
弁護士の仕事の一つがなくなることにはなりますが、私はそれが一番だと思っています。