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PTSDの後遺障害が認定され、弁護士介入前と比べて約280万円増額した事例
【被害者】 | 女性(60代) / 福岡県糸島市在住 / 職業:会社員 |
【傷病名】 | 右大腿打撲傷、右膝関節打撲傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷後ストレス反応 |
【活動のポイント】 | 後遺障害等級認定サポート・示談交渉 |
【後遺障害】 | 14級9号(非器質性精神障害) |
【サポート結果】 | 後遺障害認定・適切な賠償額の獲得 |
主な項目 | 提示額 | 示談額 | 増加額 |
---|---|---|---|
傷害慰謝料 | 約46万円 | 約98万円 | 約52万円 |
逸失利益 | 0円 | 約127万円 | 約127万円 |
後遺障害慰謝料 | 0円 | 約99万円 | 約99万円 |
最終金額 | 約181万円 | 約461万円 | 約280万円 |
相談・依頼のきっかけ
60代の福岡県糸島市在住の女性が、自転車に乗車して横断歩道を横断していたところ、同じく青信号で右折してきた大型車に、自転車ごと巻き込まれ転倒するという事故に遭われました。
衝突により自転車は大破し、フレーム先端が足にささるという痛ましい事故でした。
これにより依頼者は、右大腿打撲傷、右膝関節打撲傷、頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷後ストレス反応等の傷病を負われました。
弊所に初めてご相談頂いたのは、事故に遭われた翌日でしたが、弁護士費用特約がついていなかった為、弁護士にご依頼いただくことで却って損になってしまう可能性が高かったため(費用倒れといいます)、治療や今後の流れ等をアドバイスさせていただきいったん終了としました。
その約1年後、相手方に弁護士がつき、示談額の提示がなされたとのことで再度ご連絡をいただきました。
保険会社からの提示内容を確認したところ、弁護士費用を上回る増額が見込めた為、ご依頼いただくこととなりました。
当事務所の活動
ご依頼をお受けしたのが、受傷後約1年と2ヶ月が経過した頃でした。
お怪我に関しては幸い改善し、経過も良好とのことで治療も終了されておりましたが、事故にあったこと及び自転車フレーム先端が自分の足にささったことを目にしたことによる精神的なダメージが大きく、自費で精神科にかかられているとのことでした。
そこで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に関し、後遺障害申請を行いました。
当事務所が関与した結果
PTSDの後遺障害の認定は、怪我による後遺障害の認定と比べて障害が目に見えないため認定を受けるのがとても難しいと言われています。
今回は、後遺障害等級認定サポートとして、主治医に初診から症状固定までの症状を細かく書面化していただいたり、ご家族の方々にも被害者の事故後の生活状況について補完資料をご作成いただくなどご協力いただきました。
その結果、自賠責保険において、第14級9号の後遺障害の認定を受けることができましたので、認定結果を前提に、示談交渉を行いました。
数回の交渉を経て、後遺障害の認定がされていない状況での賠償額の提示と比べて約280万円増額することができました。
弁護士の所感(解決のポイント)
交通事故にあい精神的苦痛やストレスを感じているというご相談をお受けすることは多くありますが、それについて、自賠責保険において後遺障害の認定を受けることができる場合は多くありません。
医師によりPTSDという診断がなされていることや、それが事故によるものであるという診断がなされていることが大前提となります。
この点につき、自賠責保険においては、抑うつ状態や不安状態、意欲低下などの精神症状が認められ、かつ、日常生活や対人関係・協調性等に関する能力の欠如や低下がみられることが等級認定の状況となっており、そのような精神症状が残存するだけの理由(悲惨な事故状況)も必要になってきます。
今回は、衝突により自転車が大破しフレームが足に突き刺さり、それを目にしたという事故状況があり、主治医からPTSDの診断及びそれが交通事故によって発症したものであるという診断がきちんとなされており、ご家族の方々にも書類作成にご協力いただいた結果、無事、後遺障害の認定を受けることができました。
自賠責保険においては前述したような認定基準を満たすことが認定の条件となっておりますので、申請の時点でそれらの基準を満たしているか(認定可能性があるのか)ということを確認しておく必要があります。
基準を満たしていないのに申請をしても、非該当という結果となり、せっかく時間と労力をかけて準備をしたことが無駄になってしまうからです。
今回は無事後遺障害の認定を受けることができたことによって、ご依頼いただく前に提示がなされていた示談額から約280万円も増額することができ、ご満足いただける結果になったのではないかと思います。
2020.10.30掲載