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鎖骨の粉砕骨折等で後遺障害12級の認定、裁判せず1,204万円の補償を受けた事例

右鎖骨遠位端粉砕骨折等で後遺障害12級の認定、裁判せず1,204万円の補償を受けた事例

【相談者】 男性(30代) / 筑紫郡在住 / 職業:機械工
【傷病名】 頚椎捻挫、左大腿部擦過性挫創、右鎖骨遠位端粉砕骨折等
【活動のポイント】 後遺障害等級認定サポート・示談交渉
【後遺障害等級】 12級6号
【サポート結果】 後遺障害12級認定、裁判することなく適正な逸失利益の賠償

主な損害項目 金額
入院雑費 14万円
休業損害 255万円
傷害慰謝料 230万円
逸失利益 896万円
後遺障害慰謝料 275万円
最終支払額 1,204万円

相談・依頼のきっかけ

 30代の筑紫郡在住の男性が、バイクで信号のない交差点を直進していたところ、自身から見て左側の脇道より侵入してきた車に衝突される事故に遭いました。

 病院に救急搬送され、頚椎捻挫、左大腿部擦過性挫創、右鎖骨遠位端粉砕骨と診断をされました。

 そのまま搬送先の病院で入院となり、その間に右鎖骨遠位端粉砕骨の骨接合術を行い、約2ヵ月入院加療を続け、退院後も通院加療を継続しておりました。

 症状固定となった直後に、過失割合や今後の後遺障害の申請及び相手方保険会社との示談交渉等について相談をしたいということで、当事務所にご相談いただき、そのままご依頼となりました。

当事務所の活動

 受任後すぐに後遺障害の申請に必要な書類を病院等から取寄せました。

 相手方保険会社からは事故日から症状固定までの経過の診断書や一件書類を全て取寄せ、具体的な怪我の内容や治療内容等を確認し、同時進行で刑事記録も取寄せ、過失割合についても確認を行いました。

当事務所が関与した結果

 後遺障害の申請を行った結果、右鎖骨遠位端粉砕骨後の右肩関節の機能障害について1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すものとして12級6号に認定されました。

 認定後、すぐに相手方保険会社との示談交渉を開始いたしました。

 相手方との主な争点は、傷害慰謝料逸失利益後遺障害慰謝料の3点でした。

 傷害慰謝料については、交渉の結果、当方の請求額の95%となりました。

 逸失利益については、当方は基礎収入について賃金センサス平成27年男性学歴計全年齢平均で請求しており、これに対して相手方は当初、現実収入での算出との回答でしたが、交渉の結果、裁判をした場合に想定された金額を上回る、896万円との回答がございました。

 その後も相手方との交渉を引き続き行い、最終的な賠償額は980万円となりました。

 ご本人様やご家族の方に訴訟提起をするか否かご検討いただき、訴訟提起をすると時間がかかってしまうので、そのまま示談をすることとなりました。

弁護士の所感(解決のポイント)

 今回、特に争点となったのは、逸失利益の算定の基礎収入です。

 実収入が平均賃金を下回る場合、将来において平均賃金と同等の収入を得る可能性があると認められれば、基礎収入を実収入より高額の平均賃金として計算することが認められます。

 本件の被害者は、実収入は平均賃金を下回っていました。

 しかし、転職して間もないこと事故前の2年間で昇給があったことなどを主張して、将来において平均賃金と同等の収入を得る可能性があることを主張して交渉を行いました。

 結果としては、平均賃金までは認められませんでしたが、実収入と平均賃金の間の金額を基礎収入とすることで合意できました。

 裁判では、実収入が認定される可能性が高かったため、実収入以上で示談できよかったと思います。

2018.8.24掲載

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