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加害者が自転車保険に加入していない交通事故で2,350万円が補償された事例
【相談者】 | 女性/ 職業:会社員(兼業主婦) |
【傷病名】 | 左上腕骨頚部骨折、左肩関節拘縮等 |
【後遺障害等級】 | 10級 |
【活動のポイント】 | 示談交渉、訴訟提起 |
【サポート結果】 | 適切な賠償金額獲得 |
主な損害項目 | サポート前 | サポート後 | 増加額 |
---|---|---|---|
休業損害 | 86万円 | 90万円 | 4万円 |
傷害慰謝料 | 172万円 | 172万円 | – |
逸失利益 | 569万円(12級前提) | 900万円 | 331万円 |
後遺障害慰謝料 | 290万円(12級裁判基準) | 550万円(10級裁判基準) | 260万円 |
過失割合 | 25%(素因・飛び出し) | 0%(過失相殺なし) | – |
合計額 | 350万円 | 約2,000万円 | 1,650万円 |
相談・依頼のきっかけ
福岡県在住の兼業主婦の女性が、歩道を歩いていた際、後ろから自転車に衝突されるという事故に遭いました。
この事故で、被害者の女性は、左上腕骨頚部骨折、左打撲傷、左肘関節部打撲傷、腰部打撲傷、末梢神経障害、左肩関節拘縮等の怪我を負われました。
そして、2度の入院と約9ヵ月に及ぶ治療の結果、被害者の方には、左肩が水平以上に上がらないという後遺障害が残存してしまいました。
しかし、加害者は、自転車保険に加入していなかったため、その他の休業損害や慰謝料、後遺障害に関する保証に関しては、加害者と直接交渉を行う必要がありました。
そこで、適切な金額で示談をしたいとのご希望で、弊所へ、ご相談・ご依頼を受けました。
当事務所の活動
ご相談・ご依頼をお受けしたのが治療終了後でしたので、今回は、相手方との交渉から受任し、サポートさせていただきました。
前述のとおり、加害者は、自転車保険に入っておらず、加害者の方と直接交渉をする必要があります。
そこで、被害者の方に残存した後遺障害・仕事への支障等を踏まえ、加害者に対して内容証明を送付しました。
それに対して、加害者が依頼した弁護士からは、こちらの請求金額を大きく下回る回答(350万円を支払う。)がなされるとともに、被害者が急に進路を変えた過失や、医学的に根拠のない五十肩等を理由とする減額を主張されたため、やむを得ず裁判に移行しました。
当事務所が関与した結果
10級の認定結果を前提に訴訟を提起し、ご本人の生活状況や就労状況を詳細に主張・立証した結果、裁判所より和解案が提示され、既払い金を含めると、総額2,350円を支払うとの内容で和解が成立しました。
弁護士の所感(解決のポイント)
回収可能性
まず、自動車やバイクと異なり、自転車を運転するにあたっては、自賠責保険のような強制保険への加入は義務付けられておりません。
そのため、加害者が自転車保険に加入していない場合、お怪我をされた被害者の方は、事故で被った損害について、加害者から直接回収する必要があります。
しかし、加害者に資力がなければ、いくら請求しても賠償は実現されません。
今回のケースでは、加害者の加入する賃貸マンションの火災保険に、上限2,000万円の日常生活事故個人賠償特約が付帯されておりましたが、損害の総額が保険の上限を超えてしまうため、加害者から如何に回収できるかが問題となりました。
結論としては、既払い金を含めて総額2,350万円を回収することができました。
示談代行
通常、自動車保険には、示談代行サービスが付帯されています。
そのため、被害者の方は、加害者と直接交渉することなく、また、示談が成立するまえに、治療費等の支払いを先行して受けることができます(後者を一括対応といいます。)。
しかし、自転車事故の場合、任意保険に加入していない方が多く、仮に自転車事故が発生した場合、被害者の方は、直接加害者と交渉する必要がありますし、治療費についても、加害者が支払いに応じない場合は自費での通院となってしまいます。
示談代行サービスは、被害者の方の治療費等の負担を軽減するのはもちろん、加害者にとっても、保険会社に、被害者の方への治療・交渉を委ねられるメリットがあります。
まとめ
以上のとおり、加害者が自転車保険に加入していない場合、被害者の方はもちろん、加害者自身も高額な賠償金を負担する必要が生じえます。
自転車を運転される方は、必ず自転車保険に加入するようご注意ください。
お客様の声
2017.11.24掲載