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医師診断を覆し後遺障害の認定を受け、示談で労働能力喪失率が認められた事案
初診時の医師診断を覆して脊椎変形で後遺障害の認定を受けたうえ、
脊柱変形8級について示談交渉で労働能力喪失率38%が認められた事例
事故発生
福岡県在住の事故当時48歳の会社員男性が、自転車に乗って横断歩道を走行していたところ、左斜め方向から交差点を右折してきた四輪車にはねられ、胸椎・腰椎圧迫骨折、左手関節挫傷等の怪我を負いました。
相談・依頼のきっかけ
事故から約1ヵ月経過したころ、複数の病院で診察を受けているが症状がなかなか改善されず仕事にも相当の支障が生じており、今後の治療及び示談交渉について相談したいということでご来所されました。
当事務所の活動
現在の症状を伺ったところ、腰から背中にかけての痛みが強く、寝起きもつらい状況、デスクワークにも支障が出ているとのことでした。
ただし、事故直後に通院した3ヵ所の病院では、レントゲン検査の結果、いずれも腰部打撲という診断で骨に異常はないと診断されているとのことでした。
そこで、再度骨折がないか確かめるため、当事務所が日頃から懇意にさせていただいている整形外科をお伝えし、その病院で改めてレントゲン・MRI検査を受けていただくことにしました。
その結果、胸椎・腰椎が骨折していることが明らかになりました。
その後、約半年間、骨折を前提とした治療を受けていただき、後遺障害の申請をしました。
後遺障害申請に必要となる後遺障害診断書を作成するにあたっては、医師面談を実施し、事故後約1ヵ月経過して明らかとなった骨折が今回の事故によって生じたものである旨記載していただきました。
結果、胸椎・腰椎圧迫骨折による脊柱変形について8級の後遺障害認定を受けることができました。
そして、8級の後遺障害を前提に示談交渉を行いました。
8級の後遺障害の認定を受けた場合には労働能力喪失率は45%が目安とされているのですが、脊柱変形については、脊柱が変形していても就労には影響しないとして労働能力喪失率を0%とし逸失利益を認めない裁判例もあります。
そんな中、診断書やカルテに記載された医学的所見を主張すると共に、被害者に生じている支障を可能な限り詳細に伝え、最終的に示談交渉で38%の労働能力喪失率を認めてもらうことができました。
当事務所が関与した結果
示談交渉の結果、逸失利益について労働能力喪失率は38%、労働能力喪失期間は就労可能年齢とされる67歳までの19年間、慰謝料については入通院慰謝料と後遺症慰謝料は共に裁判基準通りの金額を認めてもらい、総額約4,650万円(過失相殺前)で示談することができました。
主な損害項目 | 金額 |
---|---|
逸失利益 | 約2,592万円(労働能力喪失率38%、労働能力喪失期間19年) |
後遺症慰謝料 | 117万円(裁判基準) |
傷害慰謝料 | 830万円(裁判基準) |
弁護士 向井 智絵の所感(解決のポイント)
この方は、「そもそも骨折しているのか」というところから始まり、「脊柱変形の労働能力喪失率をどのように評価するか」、「過失がある場合には人身傷害保険を使って補償を受ける」などなど、示談までの間の約1年半にわたって様々なサポートをさせていただきました。
事故直後の3病院では骨折でなく捻挫と診断されていること、脊椎骨折という診断がされたのが事故後1ヵ月以上経過してからであり事故と骨折との因果関係が争われるリスクがあったこと、脊椎骨折について後遺障害の認定を受けても示談交渉で労働能力喪失率がゼロとなるリスクがあったこと等様々な壁がありました。
しかしながら、前述のようなサポートをさせていただき、いずれについてもほぼ納得していただける形になったのではないかなと思います。
この方の件に関しては、「たくみのこだわり」にも掲載しておりますので、【たくみのこだわり】医師の診断は絶対??―心配なら早期にセカンドオピニオンを―も是非ご覧ください。
お客様の声
2015.11.20掲載