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損害額計算書のサンプル事例1
損害額計算書|サンプル事例1
損害額計算書の金額計算過程
休業損害について
基礎収入
基礎収入には、事故前年の平成22年賃金センサス全年齢女子平均賃金である345万9,400円を用いるべきである。
被害者は事故当時、兼業主婦であったところ、家事労働についても当然労働性が認められることから、現実の収入額を基礎収入とすることは妥当ではなく、家事労働相当分も加味して、全年齢女子平均賃金を用いるべきである。
1日あたりの基礎収入は、9,478円となる。(345万9,400円÷365≒9,478円)
休業日数について
被害者は、本件事故によって、右肩鎖関節脱臼の傷病を受け、事故直後から約2ヵ月間クラビクルバンドで固定している。バンド固定後の経過観察でも右肩疼痛はなかなか改善が見られず、バンド除去後も棘上筋腱板の損傷によって右肩関節の可動域制限が2分の1以下と大きく残存していることは明らかである(画像診断報告書、後遺障害診断書)。
そのため、被害者には右肩の痛みにより、子供を抱きかかえること、フライパンや大きな皿を持つこと、布団を運ぶことができないという事態が生じており、右腕に負担をかけるものだけではなく、料理や洗濯といった家事全般について支障が来し、小さな子供の育児も著しく困難となった。
よって、家事・育児を十分に行うことができなかった事故日から症状固定日までの185日間を休業日数とすべきである。
逸失利益について
基礎収入について
上記基礎収入の記載のとおり
労働能力喪失率について
被害者は、後遺障害等級12級の認定を受けているから、12級の裁判所基準である14%を労働能力喪失率とすべきである。
被害者は本件事故により、鎖骨の変形、右肩痛、A-C靭帯部の圧痛が残存する後遺障害を負い、後遺障害等級12級の認定を受けた。被害者には、右鎖骨の変形という永続的な変形障害が残り、これは時間経過によって馴化するものではない。
また、被害者は後遺障害には該当しないとはされたが、棘上筋腱板の損傷によって右肩関節の可動域制限が大きく残存していることは明らかである(画像診断報告書、後遺障害診断書)。
腱板は腕を上げたりねじったりするときに機能する部位であり、腱板の損傷がある以上、腕を上げるときに痛みが走り、力が入らないといった障害を残している。これらの後遺障害により、料理や洗濯といった家事全般について支障を来している。
そして、被害者は●●を行う会社員でもあり、職場復帰後は、棚卸し、品物陳列、重い家電を運ぶといった仕事に従事するところ、上記後遺障害により労働能力を低下させることは明らかである。
従って、本件では労働能力喪失率を裁判所基準である14%とすべきである。
労働能力喪失期間について
症状固定年齢の27歳から40年間を労働能力喪失期間とすべきである。
被害者の負った後遺障害は、右鎖骨の変形という永続的な障害であり、かつ、棘上筋腱板の損傷によって右肩関節の可動域制限が大きく残存していることは、長期にわたる労働能力の喪失が考えられる。
従って、労働能力喪失期間は40年間とすべきである。
3.後遺症慰謝料について
後遺症慰謝料は、300万円とすべきである。被害者は、本件事故当時、妊娠●週であったため、胎児への影響を考え投薬などはできず、治療の制約を受けていたことを考慮すべきである。
そして、妊娠中期以降は子宮が増大するため外傷を受けやすく、外傷により子宮内筋層への出血が子宮収縮を直接誘発し、切迫早産の頻度が上昇すると言われている。被害者は、事故の衝撃による胎児への直接的な外傷を心配するだけでなく、加えて切迫早産などの出産リスクを負担することになった。
したがって、これらを慰謝するため、後遺症慰謝料を300万円とすべきである。