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交通事故死者数の減少と高齢者割合の増加
2015年3月19日、警察庁交通局が2014年中の交通事故死亡事故(事故後30日以内死者)の状況について報告書でまとめました。
その報告書によれば、2014年中の交通事故死者数は4,838人となり、14年連続で減少となっています。
ちなみに、2014年の交通事故死者数は8,561人であり、交通事故事件に対する罰則の強化や、自動車安全技術の向上等により、その数は以前に比べ格段に減少しているといえます。
なお、注目すべき点は高齢者(65歳以上)が占める割合が、53.3%と過去最高を記録しています。
ただこれは今年に限った特徴ではなく、近年の交通事故死者数の減少に伴い高齢者の交通事故死者数も減少傾向にあるものの、高齢者以外の減少数が高齢者の減少数に比べ大きくなっている状況が続いているためです。
また、人口10万人あたりの交通事故死者数で見てみると、75歳以上が10.82人と最多となっており、高齢者の死者数の割合が多いことを示しています。
ちなみに、状態別の状況では、歩行中が36.2%と最も多くなっており、次いで自動車乗車中が31.1%となっています。
このような日本における交通事故死者数における高齢者が占める割合は、欧米諸国と比べ特に高くなっています。
フランス、ドイツ、アメリカなどの欧米諸国は65歳以上の死者数が3割以下であるのに比べれば、その差は顕著です。
また、状態別で欧米諸国と比べても、歩行中の事故の割合が高く、日本では、欧米諸国と比べ、高齢歩行者の交通事故死者数が高くなる傾向にあるとされています。
今回の報告書では、その原因についての検討等については特になされていません。
日本が長寿大国で少子高齢化の進んでいる点等が、上記のような結果を生んでいるのかもしれませんが、いずれにせよ、高齢者の方は歩行中を含め死亡事故の割合が多い点を自覚し、道路横断等の際には十分気を付けていただき、全ての自動車等の運転者についても運転に細心の注意を払っていただき、高齢者を含めた交通事故死者数が減少することを願うところです。
ちなみに福岡県の平成26年中の交通事故死者数は、186人で昨年と比べ9人の増加となっています。
※図はいずれも警察庁報告書「平成26年中の30日以内交通事故死者の状況」から引用